COMINES 2002.7.7 日医講堂
「第16回地域医療情報ネットワークシステム研究会」
〜メインテーマ 「IT時代に医師会が生き抜く為に」〜 平成14年7月7日
(第一日目)
レポート 安陪隆明
鳥取県鳥取市
安陪内科医院
COMINES 2002.7.7 に参加しましたので、その感想、報告を書かせていただきます。なおこの報告は決して公式なものではなく、あくまで私個人の独断と偏見による報告であり、主催者や発表者の確認をとったものでもなく、聞き間違い等も含まれている可能性があることを最初にお断りしておきます。
まず最初の総会で、空知会長より、これから副会長の
飛岡先生を中心としてCOMINES会員向けのメーリングリスト
を立ち上げることが、発表されました。
講演
「満足は得られるのか−医療とIT」
〜患者の求める、医療分野でのITの活用〜
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「患者本位の医療とは」
〜ITとネットワークへの期待〜
日本経済新聞社大阪本社 法務室次長
細川 静雄 先生
1989年:厚生省の懇談会
患者本位の医療:「施し」から「サービス」へ
現在の医療は本当に患者本位の医療なのか?
それはITによって克服されるのか?
<症例1>
U氏より一晩中続く「しゃっくり」の相談を受けた。
「しゃっくりは病気ではない?」患者の訴えをまともに取り上げない。
新聞記事検索で「しゃっくり」の専門家をつきとめる。
データベースがない。
U氏は糖尿病でもありインスリン自己注射となる。
某国立大附属病院では病診連携のネットワークシステムが作られていた。
しかしインスリン自己注射を指導した若い医師からは
開業医等への紹介はなかった。
U氏は結果的に低血糖で倒れる。
その某国立大学附属病院からの開業医への紹介率は極めて低い。
<症例2>
S氏は自己免疫溶血性貧血にてC病院に入院。これは治癒するも
この際に軽い脳梗塞→左半身麻痺を併発リハビリ先としてK病院に転院
ここで膀胱炎になったが、ろくにトイレに行かせてもらえず
C病院に帰ったときには腎不全になっており、最終的に死亡。
2001年12月26日
「保険医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」
http://www.mhlw.go.jp/shingi/0112/s1226-1a.html
夢のような素晴らしいことが書いてある。
1.医療機関に行く前に
○ 医療機関を選択する環境が整う
○ 分かりやすい医療の情報が容易に手に入れられる
2.診察の時
○ 待ち時間が短くなる
○ 分かりやすい説明を受けられる
○ 最新かつ最良の医療情報に基づいた最適な治療が受けられる
○ 専門医(歯科医師を含む)等への紹介がスムースになる
○ より客観的なセカンドオピニオンが得られる
○ 離れた地域の専門医の診療が受けられる
○ 医療事故が防止される
○ 医療従事者が患者と接する時間が長くなる
○ 医療資材の購入価格が安くなる
3.在宅で
○ 通院の負担が軽くなる
○ 医療の情報が簡単に分かりやすく手に入れられる
4.救急時
○ より早く、適切な救急医療がうけられる
○ どこで容態が急変しても救急医療機関とかかりつけ(歯科)医との連携がとれる
5.日本の医療全体として
○ 患者の選択の尊重と情報提供
○ 質の高い正確な情報を国民が得られる環境整備
○ 質の高い効率的な医療提供体制 (競争を通じた医療の効率化・重点化)
○ 国民が安心できる安全な医療情報の運用管理体制の整備
○ 国民の安心のための基盤づくり
ほんまかいな?
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「患者の満足は得られるのか−医療とIT」
厚生労働省医政局研究開発振興課 医療技術推進室長
遠藤 弘良 先生
近年の行政の施策の紹介
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「日本医師会の目指すIT化 -医療とIT-」日本医師会常任理事 西島 英利 先生
今回の診療報酬改定は大きな問題であったが、診療報酬の
データについて日本医師会も十分持っていなかった。
「医師会総合情報ネットワーク」
情報の収集、分析をシステマティックに行い、それを地域にフィードバックしていく。
会員の情報リテラシーの底上げ
日医発の情報を『passiveからactiveへ!』MLなどを使ってダイレクトに情報を会員に送っていく。
ORCAプロジェクト
互換性のない高価なレセコンに対してユーザー側として標準化
インターネット利用によるEBMの実践
Evidenceの電子的蓄積(データセンタ)一般臨床家向け、国民向け、専門家向けの3種類を作る。
(財)日本医療評価機構にて行う。
http://jcqhc.or.jp/html/index.htm
ORCAにて診療情報データベースの情報収集を図っていく
「日本医師会情報・広報センター」
フレキシビリティのある情報・広報活動
日本医師会の政策全般を明確に伝達
↓
国民にわかりやすい日本医師会
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「医療とIT 患者様の満足は得られるのか」
〜実証実験:用賀アーバンクリニック〜
株式会社メディヴァ 大石 佳能子 先生
医師9名:常勤2名+非常勤6名
1.ファミリードクターのクリニック
2.サービス業としての医療
3.患者様参加型の医療
[電子カルテの導入]
情報をさまざまな形に加工できる
提携文や入力フォームを利用した入力の簡易化とスピード
読みやすい
写真や検査結果も取り込める
[オープンカルテシステム]
インターネット(Web)を介して患者様は自宅でカルテを閲覧できる
またその他の4つの診療所の電子カルテと診療情報を共有
小倉病院とも連携
↓
パターナリズムからパートナーイズムへと転換
医師側がどういう説明でどれくらいわかってくれたのか患者側にも
よくわかるため、患者側も自分の説明の仕方を工夫するようになる
[メディメール]
病院側で画像検査結果をDICOM化してメディメールで診療所側へ返信
ただし参加者が増えないと効果が高まらない。
○もっと登録医師を!
○意外と各医師の専門がわからない!!
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パネルディスカッション
診療録情報、医療者情報、医療機関情報の公開についての問題
○本当に診療録情報、医療者情報、医療機関情報の公開は
患者さんのためになるか?
患者さんはどこまで欲しがっているか?
日本医師会 西島英利 理事
「どういう手術をどれだけしているかという情報は良いが、
死亡率まで公開すると、アメリカではぎりぎりの医療を
頑張ってやろうという医療機関が減少した」
飛岡先生
「誰が情報を公開する事業をすればいいのか?」
行政? 民間企業? 日本医師会?
[その他の話題]
日本医師会 西島英利 理事
「ORCAの技能試験は約100名の方が受けられた」
「9月に希望医師会員向けにメーリングリストを立ち上げる」
「認証局については、厚労省の遠藤室長とも話し合っており、12月まで解決する形で準備している」
(第二日目)
に参加しましたので、その感想、報告を書かせていただきます。
なおこの報告は決して公式なものではなく、あくまで私個人の
独断と偏見による報告であり、主催者や発表者の確認をとったも
のでもなく、聞き間違い等も含まれている可能性があることを
最初にお断りしておきます。
なおこの報告は上記の注意点を必ず付記していただければ、特に私に了解をとっていただかなくても、自由に転載していただいて結構です。
講演
「ここまできた、電子カルテの現状と課題」
〜認証や個人情報保護などの、電子カルテ実現の課題は超えられたか〜
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「ここまできた、電子カルテの現状と課題」
東京工業大学工学部フロンティア創造共同研究センター情報系研究機能教授
大山 永昭 先生
医療用の携帯電話を普及させようとすると大変だったが、今は携帯電話が普及し、それが利用できる。
↓
社会のIT化
電子政府、電子自治体の構築
電子データを原本とする環境構築へ
紙を主から従へ
個人情報保護
個人情報保護に対する社会的要請が強まる
個人情報保護基本法の審議
セキュアな環境の構築
制度的な対策
組織的な対策: 自主規制、ガイドライン等
技術的な対策: 暗号の利用、専用回線等
紙を主から従へ
課題
○見読性の確保を調達仕様へ反映
○安全性の確保
耐改竄
長期の保存性等
→原本性保証システムの利用
○記名、捺印の電子化 電子署名の法的効力の付与→実施済み
PKIの普及→個人認証基盤の実施
認証
誰が、何を、何のためかを明らかにする
認証サービスの対象の実現手段
○本人特定
公的個人認証サービス(総務省)の利用
○組織特定
法人認証サービス(法務省)の利用
○属性確認
法廷資格の確認
・医師、薬剤師、税理士…
・医療機関、医療法人…
認証は電子署名を用いて行われる
電子署名法
http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/digitalsign.htm
まとめ
○医療機関の完全なペーパーレス、フィルムレスは
まもなく制度的に可能になる。
○サイバー空間のセキュリティ認証は、 登録認証とアクセスコントロールが基本
○医療分野の認証サービスの実施が不可欠
○電子カルテシステムの用件は電子認証システムと同じ
ドイツでは実印にあたる秘密鍵はICカードに入れる
日本ではそこまでいかずパソコンに保存してもよい
法人、組織等がガイドラインを出しただけでは自己満足にすぎない。
ガイドラインを破った人を公表する等、それを守る措置をとる必要がある
感想:
大山先生のお話は、医療分野の電子化というものは社会の電子化全体の中で考えていかなければならないといった話であったと思います。それならということで現在混乱している電子カルテの真正性の問題について
「そういう考え方の中で電子書類の真正性についてはどうでしょうか」という質問を私はしたのですが、そこまでは話がないよう
でした。ただし、こういう考え方を進めていくと、結局そういう問題にあたらないといけないような気もします。
また今回の話には「法定のものは政府が認証し、法人、組織が出している資格等は、そこが認証する」 というニュアンスの中で話がなされ、これが日本医師会の認証局構想などとどう絡むかについても注目しています。
またふと思ったのですが、秘密鍵をICカードに入れたとしても、パソコンが盗んでそれをネットワークで伝える駄目なので、パソコンが盗まない仕組み、ICカードの中で完結する仕組みが必要ではないかと思われました。
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「電子カルテの現状と課題」
経済産業省商務情報政策局サービス産業課課長 渡邉 昇治 先生
[電子化4点セット]
1.カルテの電子化
2.レセプトの電子化
3.保険証の電子化
4.処方箋の電子化
[電子カルテの進化の変遷]
第1世代
紙の診療記録
第2世代
電子媒体の診療記録
第2.5世代
診療記録をネットワークで共有
健診データなどと統合すれば、それはもはや診療記録ではなくて
個人情報データベース
第3世代
ゲノム情報と連携
第三者認証
医療機関や老人ホーム等でプライバシーマーク(個人認証保護)やISO9000(品質)等の第三者認証を取得している例がある
感想:
「もはや診療記録ではなくて個人情報データベース」という話から思わず「これからは『自院のカルテに書く』というよりも『個人情報データベースに医師が書かせて貰う』という話になるだろうか」と連想してしまいました。
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「ここまできた、電子カルテの現状と課題」
厚生労働省医政局研究開発振興課医療技術推進室室長補佐 武末 文男 先生
[情報は力である]
時の支配者は情報を独占することで権力を掌握してきた
→中央集権国家
ベルリンの壁は崩壊した
(情報を東欧の人は入手していた)
情報統制が徹底しているので38度線は消えない
グラスチノスとペレストロイカ
ソビエト連邦崩壊への道
[医療の情報化とは]
医療の情報化の手段
医療情報や医療情報機器を駆使し、より充実した
医療情報の収集・共有・分析・活用を行うこと
目指すべき方向
医療の質の向上や医療制度の改革を行い
より充実した新しい医療service
(知識・技術・サービス)を国民に提供する
[医療の情報化の目指すべき方向]
医療 art
↑
知恵 wisdom
↑
知識 knowledge
↑
情報 information
↑
資料 data
現在は資料(data)、情報(information)のレベルの情報化しかできていない
[電子化とは情報化の一部門]
情報化は共有、分析、電子化、活用などのピースから成り立っている
[医療施設の機能分化と診療連携]
専門性の強化→医療の質の向上
医療施設の機能分化
医療連携の強化が必要
[医療の情報化の手段(情報の伝達)]
施設における機能分化
外来診療
↓
入院・手術
↓
リハビリ
↓
外来診療 介護 在宅医療
治療の継続性の確保のため情報の共有が必要
[医療の情報化の手段(情報の活用)]
正確な医療情報の整理・収集・分析
→多くの情報が埋もれている
大部分の医療機関が診療情報を活用できない
(日本の医学、臨床研究のレベルは諸外国が
向上しているのに対し、相対的に落ちてきている)
日本における大規模な医学、臨床研究の効率化
→先進諸国の国際競争力向上
[情報化の課題]
正確で使える情報がない
某大学病院のカルテ庫は、古いカルテが乱雑に積み上げられたまま
日本の医療界には標準語がない!
個々の努力が報われない世界になっている
日本の医療の国際競争力の低化と空洞化の進行
EUやAmericaなどのNational teamと戦っても
日本国内のクラブチームは勝てない
↓
All Japanで戦える体制が必要
[情報化へ向けての厚生労働省の今後の取組]
[保健医療分野における情報化に向けてのグランドデザイン]
(医療の情報化5ヵ年計画)
目的
○医療の分野における情報化を確実に推進するため、 達成目標と推進方策を示したアクションプランを含む保健医療分野における情報化グランドデザインを作成
○年内に最終報告として5年後の電子カルテシステムや
レセプト電算処理システムの具体的な普及目標を
提示予定
[医療情報システム構築のための達成目標の設定]
電子カルテ
○平成16年度まで
全国の二次医療圏毎に少なくとも一施設は
電子カルテシステムの普及を図る
○平成18年度まで
全国の400床以上の病院の6割以上に普及
全診療所の6割以上に普及
レセプト電算処理システム
○平成16年度まで
全国の病院レセプトの5割以上に普及
○平成18年度まで
全国の病院レセプトの7割以上に普及
[情報化推進のための具体的な方策]
1.医療用語・コードの標準化
2.医療情報交換規格の標準化・国際化
3.情報セキュリティの確保(システム)
4.個人情報保護への取組(運用)
[標準病名マスター Ver.2.0]
(ICD10・レセ電算システム対応)
○18,805レコード+修飾語・キーワードテーブル
○病歴管理のためにICD10への対応
○医事会計用レセプト電算処理システム対応(平成14年6月公表)
↓
日常診療や診療報酬請求業務はもちろん、電子的に蓄積された病名に基づく研究や分析が可能となることを目指す
[医療情報交換規格の標準化・国際化]
○医療分野でネットワークを介した施設間の情報交換の技術、
セキュリティを確立する(平成15年度)
○産業界を中心に情報交換規約の標準化の策定が進んでおり、 医療情報交換の互換性確保のため今後5年間は下記の規約を標準装備とした製品を普及推進する。
「医療機関で電子的に情報交換する際の標準的規格」の方向性として下記の標準実装を目指す。
1.HL7 ver.2.4以降およびHL7 ver.3(XML形式)
2.DICOM規格
※注 HL7 ver.2.4以降は今後実装方式をXMLに集約するように目指す
[個人情報保護への取組]
[OECD8原則]
国際的なデータ流通の本格化
↓
国によって個人情報保護制度が異なる
↓
国際的な情報流通を阻害要因
↓
「プライバシー保護」と「情報の自由な流通」との競合する価値の調和を目指す
○8原則(ガイドライン)を各国国内法の中で整備
○個人情報の国際流通に対する不当な阻害の回避
1980年9月、OECD理事会
もし個人情報保護法が成立しなかったら
↓
海外との研究協力ができなくなる
海外の研究データの入手困難
↓
最新医療の日本への導入が遅れる
[個人情報保護法(案)に対する厚生労働省の方針]
○診療情報も原則的に同法の対象
○がん登録研究やレセプト情報を用いた医療費分析など本来の目的とは違う形で情報を利用する場合でも、公衆衛生の向上に資すると認められるものは、研究者など第三者への提供を認める
○そのほか医学の発展に資する臨床研究などの「学術研究」は 同法の対象から除外
OECD8原則
1.収集制限の原則
2.データ内容の原則
3.目的明確化の原則
4.利用制限の原則
5.安全保護の原則
6.公開の原則
7.個人参加の原則
8.責任の原則
↓
個人情報保護法(案)の基本原則
1.利用目的による制限
2.適正な取得
3.正確性の確保
4.安全性の確保
5.透明性の確保
[個人情報の定義]
個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述、または個人別に付けられた番号、記号その他の符号、画像もしくは音声によって当該個人を識別できる情報
当該情報だけではし識別できないが、他の情報と容易に照合することが出来、それによって当該個人を識別できる情報も含む
(今まではプライバシー保護と言えば「守秘義務」のことであったが)プライバシー保護は「守秘」から「自己情報のコントロール」へと大きく方針転換している。
[診療録]
医師法施行規則(昭和23年法律第202号)(抄)
第二十三条 診療録の記載事項は左の通りである
一 診療を受けた者の住所、氏名、性別、及び年齢
二 病名及び主要症状
三 治療方法(処方及び処置)
四 診療の年月日
[診療情報開示の議論の争点]
記載内容 開示の可否
――――――――――――――――――――――――――――
診療の年月日 ◎
診療を受けた者の住所、氏名、性別、及び年齢 ◎
病名及び主要症状 △
検査データ ◎
所見(治療の根拠)
病名と症状からなぜその治療をしたのかを説明する責任がある
治療方法(処方及び処置) ◎
[医療情報のセキュリティ]
安全だけでは不充分
↓
ユーザーである患者に安心を
技術と同じレベルの運用が必要
技術論だけでは安心感は生まれない
医療においては「金融で問題ない」では不充分(金融の世界では漏れても金で保証できる診療情報は漏れると社会的に命取りになる)漏れた情報は回収できない
↓
診療情報と犯罪歴は最高レベルのプライバシー
[守秘義務規定]
(保健婦助産婦看護婦法)
医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師に
看護師や保健師も対象とした
(基金法)
社会保険診療報酬基金の審査委員、理事、幹事
(精神保健及び精神障害者福祉法)
精神病院の管理者や職員
(感染症予防法)
感染症の患者の秘密を業務上知り得た者
[医療の質を評価する]
[財政主導の医療制度改革の原因]
日本における医療制度は社会保障である→財政の影響が避けられない
コスト 誰でもわかる
アクセス 比較的わかりやすい
クォリティ 医療従事者しかわからない→評価する必要がなかった
医療側は「コストが下がるとクォリティが下がります」ということを提示していかないと、世間を納得させられない
[医療の質の評価が進まない理由]
医療の質→何らかの指標で評価
指標を用いて医療の質を見える形に
問題点
○評価の軸がいくつもある→コストは一つ
○あまりに精緻にすると複雑になる
複雑になると評価自体がブラックボックスに
単純でわかりやすいものがいくつか必要
難しいが「難しい、難しい」と言っているばかりでは今後は立ち行かなくなる
[質疑応答]
飛岡先生:
「電子カルテやレセコンの本体を院外に出してしまうような、アウトソーシングの時代はいつ来るだろうか?」
↓
渡邉先生:
「5年後くらいであろう。当初は無条件で進める方向であったが、医師会等のストップがかかり肩透かしを食らった。しかしこれが結果的に良かった。まだ個人情報保護法が成立していないこと、そして医療情報交換規約の確立を睨みながら進めた方が良いからである」
藤森先生:
「住民基本台帳カードと保険証カードを融合させればローコストでできるのではないか」
↓
渡邉先生:
「色々な問題はあるが検討されている」
武末先生
「住民基本台帳カードは『実印』にあたるものであり、『実印』を持って医療機関にかかれるか、という問題もある」
感想:
派手なことは仰いませんが、鋭く的を射た内容に感心しました。特に「情報化は共有、分析、電子化、活用などのピースから成り立っている」「電子化=情報化ではなく、電子化とは情報化の一部門である」と明確に位置づけ「現在は資料(data)、情報(information)のレベルの情報化しかできていない」と指摘されたのは見事だと思いました。なんだかんだと「情報化」「電子化」という言葉が曖昧に飛び交っている中、この定義というか切り口はしっかりしていると感じました。
また「複雑になると評価自体がブラックボックスに」というのは、まさに介護保険の一次判定がそうではないか、と思ってしまいました(^^;)
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Webサービスでかわる世界
〜他業種に学ぶ、英国政府の住民サービス向上への挑戦〜
マイクロソフト株式会社 ゼネラルビジネス統括本部ソリューション販売推進部 中村 龍太 氏
メインフレームと端末の世代: 専門職
クライアント・サーバの時代: ホワイトカラー
Webアプリケーションの世代 : 一般人(顧客自身)
HTMLは異なるプラットホーム間を繋ぐ。
サーバやブラウザのOSがどんな組み合わせであってもかまわない。
しかしHTMLは表示用であって、意味を表すことができない。
↓
XML(情報の意味がコンピュータで処理できる)
イギリス
ガバメント・ゲートウェイ
2005年までの「電子政府」構想
日本では縦割り行政で認証基盤を作っている。
イギリスでは一つの認証基盤、一種のスマートカード
GSI(ガバメント・セキュア・イントラネット)
XMLでやりとり
イギリス在住のディビッドさん
タンザニアに行こうとすると
パスポート申請
旅行会社のWebサイトに頼むと、パスポートの状態がわかる
メディカルレコードからまだ受けていない予防注射がわかる
1.フライト予約サービス
2.決済サービス
3.予防接種情報サービス
4.パスポートサービス
3,4は旅行代理店が政府のサーバにアクセスして、XML形式で必要な情報を引き出す。
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講演
「ネットワークで広がる、新しい医療の世界」
〜Webサービスなどの新しい技術により、患者のロジックで考えた医療とは〜
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「患者さまのロジックで考えた医療とは」
日本医師会総合政策研究機構 研究部長 石原 謙 先生
○電子カルテと診療報酬請求
○診療所の機能評価
○マネージドケア
○ベンチマーキング
以上についてはデータベースを医療人が確保することで
問題解決の方向
アメリカ医師会
http://www.ama-assn.org/
Physician Select
http://www.ama-assn.org/aps/amahg.htm
アメリカ医師会のWebサイトから患者が医師を検索して選ぶことができる
AMA Physician Select provides basic professional information
on virtually every licensed physician in the United States
and its possessions, including more than 690,000 doctors of
medicine (MD) and doctors of osteopathy or osteopathic medicine (DO).
http://www.medem.com/
アメリカ医師会が運営する医療情報サービス会社
OC: Online Consultation
25ドルの有料制のオンライン医療相談
アメリカでは30%の人たちが、オンラインの医療相談に対してお金を払ってもよいと考えている。
日本における医師への満足度は8割程度
現状への不満として以下の2点が突出している
1.待ち時間の長さ
2.説明不足
病院や医師のランキングを望んでいるのではない
医療機関、名医情報は、近医などを通してむしろ入手しやすい
かなりの程度で良い情報が入手できる
ホームページ上の情報には誤った情報が多い
患者団体COML「賢い患者になりましょう」
http://www.coml.gr.jp/
待ち時間については、イギリスなどでは乳癌で専門医を受診するのに6ヶ月待ち、といった現状がある。「3時間待ちの3分診療」というが、それで当日にはどんな専門医でも診てもらえる日本の医療は実はすばらしい
「良い医療を受けたい」の意味
(1) 多くの軽症時 → 接遇や料理や施設が良い
(2) 重病の時 → 医師の腕が確かで先端医療
この2つの意味が混同されやすい。
○接遇や料理や施設: 施設基準やプロセス評価が可能
○医師の腕: Outcome評価
素人にわかりにくく数値では表現しにくいプロの医師どうしだとかなり正確にわかる。
[医師の技術、評価レベルのネットワーク]
プロセス中心の現時点の日本医療評価機構の方法は悪くない。
コンテンツの議論抜きに技術に走るのは危険
「わかりやすい技術があるはず」という妄想的前提
↓
「かかりつけ医との相談が最も信頼できる」という啓発活動が必要。
[患者側の要望]
○世界最高水準の医療を確保して欲しい。
→EBMで医療者も納得。ただしコストは?
○日常よりも快適な接遇を受けたい。→アメリカの1/5程度のコストでは無理。
○医療費は安ければ安いほど良い→人件費がまともに出ない医療はイギリスの二の舞
○知識はないが自分で医師、医療機関を選択したい。→簡単明瞭な指標を出せという無理難題
医師には応召義務と医療保険点数請求の制約
普通のビジネスではお客が納得すればお金を払ってくれる。
今の日本の医療に足らないのは「患者さんの納得」
Accountability 説明責任
[情報化社会の本質的意味]
いつも高水準の情報を得られる
超高速で運営、経営を行える
戦略的な説明責任の活用をネットワークが可能とした →行えないなら、立ち遅れ、倒産、デジタルディバイド
[Informed ConcentとAccountabilityの違い]
Informed Concentは危険を示して判断してもらう。
Accountabilityは善悪関係なく全ての情報を出し、患者さんに納得してもらう。納得できる客観的説明
人々の考え方を帰られないような情報の発信には意味がない!
そのために自ら行動を!
医療が安心なら消費も増える。
日本人は老後の不安で貯蓄性向が強い
わが国の人々の最大の関心事→景気対策、雇用対策
安心できる社会システム
カルテ開示: 患者データと医師の評価情報は別
患者様の表面的ニーズと深いニーズの区別をしなければ
患者様の意見は堂堂巡り
技術論に踊らされてはいけない
現在の日本の医療の良さをまず認めて、その良さ(コンテンツ)を
活かし、枯れた技術を素早く導入しよう
過去の失敗した技術プロジェクトを思い出してもらいたい
(第5世代、TRON、ATM…)
感想:
その前の晩の、焦点が定まらなかったパネルディスカッションにずばずばと快刀乱麻に切り込んでいくような内容で、私は目の前の霧が晴れる感じがしました。
とにかく「素晴らしい」という以外にない講演でした。
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「ITにより医師会を再性できるか」
広島大学医学部附属病院 医療情報部教授
石川 澄 先生
EPRは石器時代
現在のEPRはレセコンの延長
情報科学は社会システムとしての医療に、
見えないものを見えるようにする。
質
――― = 患者の満足
コスト
都会地は選択肢が広すぎる。
過疎地は物理的に限りがある。
インフォームドコンセントは「不信」の産物
患者が医師にかかるとき
「期待を裏切られないであろう期待」
を抱いている。
感想:
もう本来は終了すべき時間に始まってしまった石川先生のご講演で、先生もまとまったことを話すことが時間的に不可能となり、用意したスライドから散発的に話をするだけで、順序だてたストーリーに則った講演ではなくなってしまい残念でした。
上記の記載はその中で、印象に残った言葉だけを取り上げたものです。
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全体の感想:
全体を通して感じたのは、以前は「未来のSF」的に思っていたことが、どんどん具体化されてきて、いうどうなるかということまで見えてきだした、ということでした。
社会がどんどん情報化されていくなか、医療も、その医療行為のパラダイムシフトを否応なく強いられる時代が始まって来た、ということを感じさせられました。
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以上のレポートは下記の先生です。
安陪隆明
〒680-0841
鳥取県鳥取市吉方温泉3丁目811-2
安陪内科医院
Tel.0857-26-6675
Fax.0857-21-3131
abe_takaaki@tottori.med.or.jp
takaaki_abe@mrj.biglobe.ne.jp
http://www.abe.or.jp/
http://www.yuragi.jp/playxslt/index.asp